SSブログ

マニラKTV悲話 その㉘ 過ち・・・ [小説]

111201-learnfrom-mistakes-thumb-499x280.jpg

優二は、大橋とアンダルに別れを告げると、その娘を連れて自分のコンドへと帰っていった。
『帰りのタクシー代は、別に渡してやれよ・・・』
別れ際に大橋は、にやりと笑いながら、そう言ったものである。
部屋に入ると優二は、酒を飲んだ勢いを借りて、直ぐにアンナをベッドに押し倒した。
ジュリアの時のように、遠慮などは微塵も無い。

荒々しく服を脱がせると、下着まで一気に剥ぎ取り、挑みかかった優二である。
この辺は、やはり優二も男であった。
本能で、身体が動いていると言って良い。
下着の向こうは、やはり、想像した通りのナイスバディーである。
小柄な割には、大きなおっぱいにくびれた腰、お尻などは雪のように白い。

アンナは、女としての、全ての武器を持っていたと言って良かろう。
その身体つきを見た優二は、興奮度を更に増して来たのか、上から下まで、むしゃぶりつくよ
うにして、アンナの身体を弄(まさぐ)る。
ジュリアは、未だ経験も少ないせいか、乳首などの感度も弱かった。
しかし、このアンナは全く違う。

吸い付くような肌を持っており、優二のつたない愛撫にも、声を出して反応してくれるのだ。
生まれて初めての経験に、優二は相当酔い痴(し)れていた。
圧巻は、インサートの時だ。
コンドームを使用しているにも関わらず、あそこが切れるのではないかと思うくらい、局部を
締め付けて離さないアンナである。

『ううう・・・』
彼は、こらえ切れなくなったのか、思わず発射してしまった。
この行為が、こんなにも気持ち良いものだと、生まれて初めて知った優二である。
ベッドの上で仰向けになりながら、優二は余韻に浸っていた。
が、少し休憩を挟むと、優二は、再びアンナに挑み掛かる・・・

何の事はない。
次の日は仕事なので、アンナを早く帰らすつもりでいた彼であったが、とうとう、その夜中中
やりまくってしまった優二である。
(ああ、何て気持ちがいいんだ、やっぱりたまには他の女もいいもんだな・・・)
ついついそう思ってしまった優二だが、やはり、男の身勝手というものは、仕方が無い。

気が付けば、夜は、もうとっくに明けている。
優二は、部屋の外で、別れ間際にも、彼女にこう言った。
『又会えるかな?』
『うん、いいわよ・・・』
そう会話をして、二人は電話番号を交換して別れたのである。

その時、隣の部屋のドアがすっと開き、二人の別れ際を見た者がいた事に気付かずに・・・
さて、次の日曜日・・・
今日は、優二の休みと、ジュリアの休みが珍しく重なる日であった。
そうなると、当然デートと言うことになる。
ジュリアは、今日も優二に食事を作る予定だ。

もう、待ち合わせなどは必要ない。
優二のコンドは、勝手知ったる、我が家と同じである。
ジュリアは、優二から、合鍵を渡されていた。
優二の家に行く前に、ジュリアはハリソンプラザで食材仕入れに向かう。
その時である。

買い物をしていると、見たことのある女性が、彼女に声を掛けてきた。
『ああ、あなたは・・・』
見ると、優二の隣の部屋に住んでいる、銀行勤めのエミリーであった。
彼女は、35歳で独身。
マネージャ-で、収入はあるが、婚期を逸したのか、未だに独身のキャリアウーマンである。

ジュリアとも、何回か優二のところを訪れる内に、顔見知りにはなっていた。
『あら、又、彼の所に行くのね?』
エミリーは、少しジュリアを憐れむような口調でそう言った。
ジュリアは、不審そうに・・・
『はい、そうだけど、どうして・・・?』

不思議そうな顔をして、エミリーを見詰めるジュリア。
エミリーは、いかにも心配そうな顔をしながらこう言う。
『あなたの彼、大丈夫かしら・・・?』
『えっ、優二がどうかしたの?』
『ああ優二というのね、でもあなた知ってる?、彼、この間違う女を連れ込んで居たわよ。』

容赦なく、そうジュリアに伝えるエミリー。
(ガーン、ガーン、ガーン・・・)
ジュリアの頭の中で、マニラ大聖堂の鐘の音が、勢い良く鳴り響いていた。
(絶対に、嘘に違いない・・・)
彼女は、エミリーへの挨拶も忘れて、買い物も途中で放り出し、優二のコンドへと向かった。

ドアベルを鳴らしたが、生憎と優二は出掛けていて居ないのか、ドアは開かなかった。
時間の約束まではしていなかったので、その間、買い物にでも出掛けたのかもしれない。
ジュリアは、仕方なく合鍵を使い、部屋の中に入る。
彼女が、優二の部屋で先ずしたこと。
それは、彼がいつもコンドームを入れている、キャビネットの中をチェックすることである。

彼女は、優二がゴムを大量に買い込んでいるのを、一緒に買いに行ったから知っていた。
一番最初の時と違い、ジュリアは完全な避妊を望んだからである。
妊娠でもして姉にバレたら、それこそ大変だからであった。
彼女は、何度も数え直したが、どう数えても5個程足りなかった。
一箱3個入っているのを、計算の上である。

彼女は、数える内に、自分でも血の気が引いていくのが分かった。
でも、彼女は優二を信じたかった。
いつの間にか、涙が頬を伝っていたが、彼女はそれを拭おうともせずに、延々と数えなおす。
その時である。
鍵が開く音がして、優二が部屋の中に入って来た。


激動の来週に続く・・・


nice!(0)  コメント(26) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。