SSブログ

マニラKTV悲話 その⑪ あね・いもうと [小説]

43960_2.jpg

優二には、今日のジュリアはが、昨日にも増して可愛く思えた。
髪は、他の女の娘に比べてまだ染めてなく、色白な上、爪も綺麗に短く揃えられており、本当に清楚と
いう表現が、ぴったりと来るような雰因気を醸し出している。
では、性格はどうなのか?
この著者でさえすら、分からなかった。

優二に置いては、尚更であろう。
どうせ作者の都合で、性格の良し悪しが決まるのだろうと、読者諸氏は思ってはならない。
書いている時の、心情や心の変化で決まるのだ。
今の所は、頭を白紙にしたまま、諸氏と共に、二人を見守って行くしかないようである。
とまれ、余談が過ぎた。

優二は、相変わらず今日も酒量が上がっている。
抑えようとしても、どうにもコントロールが利かないのだ。
酒の勢いを借りてとは言うが、恋に酔い続けるには、必要なエネルギーの様な物なのかも知れない。
優二は、モールで買った可愛いネックレスを、ジュリアに上げた。
彼女が大喜びだったのは、言うまでもない。

二人の親密度は、更に深まる・・・
丁度、その時である。
二人の仲を、引き裂く事態が起こった。
何と、彼女に他の客から指名が入ったのである。
こればかっりは、仕方が無い。

『仕事だから・・・』
と言う彼女を、恨めしそうな娘をして見送るしか無かった。
この時に、彼は嫉妬を覚えざるを得ない自分を知ったのである。
独占欲に、目覚めた形の優二であった。
(何とか、昼間の時間も会えないかな・・・)

優二がそう考えたのも、無理はなかろう。
ヘルプでやって来たジーナという女の娘に、優二は早速相談をしてみた。
そこで優二は、同伴というシステムを知ることになる。
これなら、彼女をデートに誘い出せるではないか・・・
優二の心は踊った。

そうして、その内にジュリアが席に戻って来たので、早速申し入れてみたが、彼女からは意外な答え
が返って来てしまった。
聞くと、自分の一存では決められないという。
同じ店で働いている、姉のカレンの承諾が必要になると言うのだ。
同居している姉のカレンは、妹のジュリアには厳しかった。

年齢も27歳と、ジュリアとは8歳も離れている。
『同伴したいのなら、その姉に直接言って欲しい。』
ジュリアは、そう云うのだ。
優二が姉のカレンと話をするには、そこの席に呼ばねばならない。
当然の如く、リクエスト扱いになる。

挨拶程度なら兎も角、ジュリアをデートに誘うべく、交渉しなくてはならないのだ。
余計な出費やお邪魔虫は、仕方が無いのかも知れない。
姉のカレンが、そのテーブルにやって来た。
日本人の彼が居るというカレンは、流石に流暢な日本語を喋る。
優二は、根掘り葉掘り色々と聞かれたが、LDを5杯位飲ませた後で、やっとお許しが出た。

これでやっと、優二はジュリアとデートが出来るのだ。
彼は、上機嫌で、姉のカレンがオーダーをするまま、LDや食べ物を奮発したのである。
その後、少し早めにホテルへ帰ったものの、優二は中々寝付かれなかった。
デートの時間は、明日の午後3時の予定である。
(まあいいか、明日もゆっくりと寝坊しよう・・・)


続く・・・
nice!(0)  コメント(18) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。