フィリピン童話集 『ピーナキオ』 [フィリピン童話]
むかしむかし、暴走半島の漁師町に、『ひでじい』、と呼ばれる老人が、住んで居ました。
『ひでじい』は、大層な女好きで、その中でも、フィリピーナが大好きなじじいでした。
Pパブにいつも遊びに行きたいのですが、貧乏な『ひでじい』には、金が有りません。
(ああ、ピーナに会いたい、ピーナとやりたいものじゃ・・・)
いつもそう思い続けていた、『ひでじい』でしたが、せいぜい、想像だけで股間を膨らますしか、彼に
は、方法が有りませんでした。
ある日のことです。
『ひでじい』は、フィリピーナの形をした、等身大の、木の人形を彫ることを、思い付きました。
そうして出来上がったのが、『ピーナキオ』です。
しかし、所詮は、木で出来た人形でしか有りません。
『ひでじい』が抱きつこうがキスをしようが、何の反応もして呉れないのです。
『ひでじい』は、その『ピーナキオ』を抱きながら、いつもため息を付く毎日でした。
そんな日が続いた後、その『ひでじい』を哀れに思ったのか、彼の前に女神様が現れました。
そして、女神様は、『ひでじい』に向かって、こう言ったのです。
『これこれ、そなたの望みなら、何でも叶えてやるぞよ・・・』
これには、『ひでじい』も大喜びです。
早速、『ピーナキオ』を、本物のピーナに替えて欲しいとお願いしました。
するとどうでしょう・・・
たちまちの内に、『ピーナキオ』に魂が宿ったのか、本物のピーナに変身したでは有りませんか。
『ひでじい』は、もう狂わんばかりの大喜びです。
女神様の目の前であるにも拘わらず、あんな事やこんな事を始めます。
勿論、本物ですから、味は抜群でした。
『ひでじい』は、それから暫くの間、幸せな日々を送ることになります。
ところがでした。
数カ月後の『ひでじい』の生活は、それはもう悲惨なものに変わって居たのです。
『ピーナキオ』は、大嘘付きでした。
しかも、横着者で、家事などは一切しません。
贅沢好きでも有ったので、『ひでじい』は、死に物狂いで、働かなければなりませんでした。
その内に、夜の回数も、味を占めたのか、何度も求めてきます。
(か、勘弁してくれ、も、もう死んでしまう・・・)
そう、『ひでじい』が思った時、女神様が再び現れました。
『ひでじい』は、ここぞとばかりに、女神様に『ピーナキオ』の処分を訴えます。
女神様は、『ひでじい』のその願いを叶えてやりました。
こうして、『ピーナキオ』は、元の木人形に戻っていったのです。
『ひでじい』は、これで助かったと、九死に一生を得た気分になりました。
皆さん、ピーナは本物ではなく、あくまでも、想像の世界だけで愛しましょうね!(爆)