フィリピン 童話集 『浦島ジョン・・・(爆)』 [パロディ]
昔々、ある海辺の村に、ジョンという若者が一人で住んでいました。
ジョンは、大変貧しく、食べるものにはいつも事欠いているような、困窮漁民だったのです。
手漕ぎのボートすら、貧乏で買えません。
なので、いつも他の漁師の手伝いをするだけで、ジョンは、僅かな収入を得ていたのでした。
ある日のことです。
ジョンは浜辺で、大きな亀が、近所の子供達に虐められているのを見ました。
体重100kg位はあろうかと思われる、大変に立派な亀です。
怪我をしているらしく、足から血が流れていました。
(これはこれは・・・)
ジョンは、子供達に近寄りながら、こう言いました。
『これこれ、怪我をしている亀を虐めちゃあいかん、可哀相じゃから、お兄さんに渡しなさい。』
『けっ、何抜かすこのクソジジイ、一昨日来やがれ!』
『くそじいじいとは何じゃ、俺はまだ30の手前で若いんじゃ、まあ、ええからその亀を寄越せ・・・』
ジョンはそう言いましたが、子供達は、そう簡単には亀を引渡しません。
結局交渉で、50ペソで亀はジョンのものになりました。
貧乏なジョンにとって、50ペソは大金です。
しかし、背に腹は変えられませんでした。
ジョンは、死ぬほどお腹を空かせていたのです。
(これほどの大亀が手に入ったのなら、何日も食べられるに違いない・・・)
(それに、甲羅はべっ甲細工にして売れるし、足の爪は三味線のバチに使えるし・・・)
この国に、三味線が有ったかどうかは別にして、ジョンは、そんな思惑で亀を買ったのでした。
さて、ジョンは海辺の掘っ立て小屋である自分の家に、亀を引きずって行きました。
家に帰ったら、早速大釜に湯を沸かし、亀を煮立てる準備をします。
その様子を、亀は大汗を垂らしながら眺めていました。
その内に、湯が沸いたので、ジョンはボロ(フィリピンの大ナタ)を取り出して、大亀の首から、
先ずはちょん切ろうとします。
驚いたのは、大亀です。
『ひえ~~~~』
と言いながら、何とかもがいて逃げようとします。
それを見たジョンも、必死で大亀の首にしがみつきました。
ここで逃せば、大枚50ペソをはたいて、この大亀を買った意味がありません。
その内に、ボロが大亀の首筋に、ピタリと当てられた時のことです。
大亀が、こう言いました。
『お兄さん、お兄さん、助けてくれたら、お礼に良い所に連れて行って上げるよ。』
『何、いい所じゃと?』
ジョンは、不審そうに亀を睨みました。
『そうですよ、良い所です。ご馳走がふんだんにあって、お宝も沢山あるところです。』
『何、お宝だって?』
急に、ジョンの目が輝きました。
『そこに行けば、本当にお宝があるのじゃな?』
『はいはい、金銀の細工や、大判小判もザックザク・・・でへへへへ。』
何か助かりそうな気配を感じたのか、大亀は、急に調子のいい喋り方でそう言います。
納得したのか、ジョンは、大亀の言葉に従って、その良い所やらに行ってみることにしました。
大亀の言うには、その良い所とは、海の中にあるそうです。
ジョンは、大亀に跨ると、一路海の中を目指して出発しました。
ああ、ありました、ありました。
確かに、お城のような建物が、海の中にありましたわ。
そこでは、プリンセスという名前のお姫様が、ジョンを迎えて呉れました。
亀を助けた呉れたことに対するお礼だと、それからの3日3晩は飲めや食えやの大騒ぎです。
お姫様自らがお酌もしてくれ、ジョンは、それはもう夢見心地じゃったと・・・
帰り際には、お土産だと言われ、玉手箱まで貰ってしまいました。
(ああ、これにお宝が入っているのだな・・・)
ジョンはそう解釈をし、喜んでそれを貰うと、その龍宮城を後にしました。
大亀は、彼を元の浜辺まで送って行きます。
自分の家に帰ったジョンは、早速その玉手箱を開けてみました。
『うわあ・・・』
ジョンは、中を見て驚きました。
中に入っている物と言えば、何と一枚の紙切れしか入っていません。
只、そこにはこう書いてありました。
セット料金、飲み放題食べ放題3日分32万ペソ、LD1,000ペソX350杯=35万ペソ、合計67万ペソ。
税サ込、トータル 825,440ペソ、遅延金利年5%・・・
それから、ジョンの悲惨な生活が始まったのは言うまでもありません。
兎に角、お金の取り立てが厳しいのです。
漁に出る度に、サメやクジラの嫌がらせが始まりますた。
僅かな金利だけでも入れないと、この調子で仕事にもなりません。
貧乏な彼でしたが、それからは、更に貧乏になりましたとさ。(爆)
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何の教訓にもならないお話でしたねえ・・・(爆)
2012-10-07 08:05
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コメント(32)
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by 提督 (2012-10-07 10:35)
ハハハ! ピリピン版浦島太郎でッか!
昔、NHKで放映されたドキュメンタリー番組ですが、
漁師の親子が居て、手こぎのバンカで漁をしていたんですが
日本に働きに行っていた娘からの仕送りの銭で買った、エンジン付きのボートに娘の名前を付けて漁をしていたんですが
一生懸命1ヶ月働いても5000ペソ位しかならないので、お兄ちゃんはアホらしくなって、トバをあおってタマッド・ピノイになりましたとさ! チャンチャン!!
by Ryuchan (2012-10-07 10:47)
素晴らしいパロディでした。ポチ。
私の友人と言うより、セブ在住の先輩70歳と7ヶ月。
8月末体調不良で帰国し、先月末、膵臓ガンでなくなりました。
帰国前の彼は、毎週数人の乙姫様とベットを共にし、2回程度のゴルフを楽しむ陽気な浦島太郎でした。
セブ在住に関する色々な有効情報を提供してくれた、得がたい先輩でした。
日本では資産家の長男で、親御さんから引き継いだ会社経営に尽力され、地元では名士の身分で羽目を外して遊べ無いので、セブに一人永住し浦島生活でした。
大切な方を失いましたが、誰にでも訪れる別れ、彼は精一杯人生を謳歌したようです。
by ヤマハバイク (2012-10-07 10:55)
良かったですねぇ!
明瞭会計の店に連れて行って貰えて・・・
俺はテッキリ,遣らせずボッタクリの店に連れて行かれて、マグロ漁船にでも
売り飛ばされると思っていましたぁ・・・
ヤッパリ、フィリピンは、亀でも優しいのですねぇ!(笑
by Leo (2012-10-07 11:22)
提督はん
わははははははははははははははははははははあああああああ(溜息)
by moimoi (2012-10-07 11:31)
Ryuchanさん
無駄な援助でしたね。
勿体無いお化けが出ますな。
あっ、それを題材にして物語書きまひょか?(爆)
by moimoi (2012-10-07 11:33)
山葉さん
>彼は精一杯人生を謳歌したようです。
豪快な方だったようですね。(笑)
竜宮城は、さぞかし満足されていたのでしょう。
死しても、悔いの無い人生。
奇特な方とお見受けしました。
by moimoi (2012-10-07 11:40)
Leoさん
>マグロ漁船にでも売り飛ばされると思っていましたぁ・・・
しまった!
そういうストーリーに、しておけば良かった!(爆)
by moimoi (2012-10-07 11:42)
どこかにモデルがいそうな物語ですね・・・(ぷ
そう言えば竜宮城に行き着く前に銀行ローンやクレジットローンで苦労したのを思い出しました・・・(苦笑
>お姫様自らがお酌もしてくれ、ジョンは、それはもう夢見心地じゃったと・・・
今からでも夢見心地の接客の竜宮城はあるのでしょうか?(笑
by 旅の老人 (2012-10-07 11:52)
鴨野さん
>どこかにモデルがいそうな物語ですね
勧善懲悪とかモラルを謳った日本の昔話とは違い、現実感をこの物語
に出してみました。(嘘笑い)
>今からでも夢見心地の接客の竜宮城はあるのでしょうか?
対価の問題ですな。(笑)
お金さえあれば、どんな夢心地でも可能でしょう!(爆)
by moimoi (2012-10-07 11:59)
竜宮城は楽しそう、マニラの竜宮城はどこかな、師匠知ってますか?
by カカロット (2012-10-07 12:38)
昨夜はバッタリでしたねー。
お話し余り出来ず、残念でしたー。
Next time!
by マックス (2012-10-07 12:40)
カカ様
>マニラの竜宮城はどこかな
当然ではありませんか!
バクラーランに決まってます!(爆)
by moimoi (2012-10-07 13:19)
マクシミリアンさん
いえいえ、お客さんがいらしたのですから当然です。
次回又・・・^^
by moimoi (2012-10-07 13:20)
お兄さ~ん!!
1セット、たったの200ペソだけ♪
飲み放題♪
マガンダ・バター、マラミ、パソック、パッソク、ディト♪♪
by 洗濯屋 (2012-10-07 15:08)
『お兄さん、お兄さん、助けてくれたら、お礼に良い所に連れて行って上げるよ。』
『そうですよ、良い所です。ご馳走がふんだんにあって、お宝も沢山あるところです。』
明日の財宝より 今日の飯が大事なんじゃあ
ナタが無慈悲にもーーーーー
ってパターンかと思っちゃいました
by Umetta (2012-10-07 15:13)
洗濯屋さん
1セット200ペソは安いですなあ・・・(笑)
で、何処にあるのですか、その店?(爆)
by moimoi (2012-10-07 15:13)
お梅さん
>明日の財宝より 今日の飯が大事なんじゃあ
しまったあ・・・
その案も、頂きじゃったのに~!(爆)
by moimoi (2012-10-07 15:20)
マラテのJersで、全く客が居ないときは、この値段になりますね!!・・(笑)
ちなみに天使の街でサンミゲル1本だけ呑んで冷やかしで帰ると、もっと安く・・・(自爆)
by 洗濯屋 (2012-10-07 16:48)
次は!!
女神@巨乳「お前の落としたのは、この金のボロかえ?、それとも銀のボロかえ?、このボロい鉄のボロかえ?」
トニー@詐欺師「いえ、私が無くしたのは貴女の様に巨乳でマガンダなババエです。」
と、逝きましょう・・・(爆)
by 洗濯屋 (2012-10-07 16:55)
洗濯屋さん
バクラーランと、どっこいどっこいですな!(笑)
by moimoi (2012-10-07 17:03)
クリンーング屋さん
ああっ、それ明日のネタなのに・・・(激涙)
by moimoi (2012-10-07 17:05)
全く何のためにもならない御伽噺でしたね!
フィリピンのKTVもこれくらい楽しいといいのですが
時間を忘れるくらいなんてことはないですから・・・
時間ばかり気になってたりして(笑
竜宮城には逝けないので
今から嫁のリクエストで回転寿司に行ってきます。
by 萬久 (2012-10-07 18:12)
わちきも当分、ピリピン竜宮城には行けそうにないので、今からマタンダババエになってしまった、かみさんと長崎チャンポンでも食べに行きますです! ポリポリ!
夢の中で竜宮城での思い出は楽しいですが、現実にアドリアティコ通りを歩いていると、シャチョー・ドコイキマスカ!と言い寄ってくるピノイ共が五月蠅いし、チビッコギャングやバクラもイッパイアル!+モンキーポリスも。笑い!
by Ryuchan (2012-10-07 19:55)
筆者のが日々生活の鬱憤のたまり具合が見受けられる様なお噺ですね、ストレスを溜めないようにとは言っても難しいかもしれませんが、共に釣行を望んでいる友が居る事を思い出して楽しい事だけに思いを馳せてストレスを抱え込まないようにね。(´▽`)
by shiNji (2012-10-07 20:50)
お萬殿
>時間ばかり気になってたりして
まあ、それだけ、経済的にも追い込まれて居るのでしょうね。(笑)
これから、回転寿司ですか?
風邪を引いて熱がある私には、羨ましい話しです。
お腹いっぱい、食べて帰りましょう!(爆)
by moimoi (2012-10-07 20:50)
Ryuchanさん
長崎ちゃんぽん良いですねえ・・・(笑)
私の、大好物ですよ。
野菜不足で麺好きの私には、ピッタリの料理です。
それこそが、竜宮城ですね。
自分で好きなことをして、好きな事をする・・・・
中々、出来る事ではありませんね!
by moimoi (2012-10-07 20:53)
神示さん
>共に釣行を望んでいる友が居る事を思い出して・・・
ええ、そうなのですが、中々戻って来られないのですよ・・・(笑)
1日も早く、お戻り下さい。
ストレスも、早々に吹き飛ぶことでしょう。
マジで、お待ちしていますぞ!(爆)
by moimoi (2012-10-07 20:56)
>お土産だと言われ、玉手箱まで貰ってしまいました
海から陸に上がる関所で,その玉手箱からヤバイもんが出てきて
あわれ冤罪の罪で モンテンルパ刑務所に収監,
ってのは 聞いたことありますなぁ。
by hide.pp@暴走 (2012-10-07 22:52)
>漁に出る度に、サメやクジラの嫌がらせが始まりますた。
僅かな金利だけでも入れないと、この調子で仕事にもなりません。
貧乏な彼でしたが、それからは、更に貧乏になりましたとさ。(爆)
おとぎ話とはいえ、これでは、フィィピンの話では無くなりますね
>セット料金、飲み放題食べ放題3日分32万ペソ、LD1,000ペソX350杯=35万ペソ、合計67万ペソ。
税サ込、トータル 825,440ペソ、遅延金利年5%・・・
フィリピン人なら、海の仕事を捨てて、逃げないと(笑)
by whawa (2012-10-08 06:42)
比出さん
ありそうな話ですな。(苦笑)
そういう展開も、良かったなあ・・・
あっ、でもちよっと不幸過ぎかも・・・(爆)
by moimoi (2012-10-08 07:00)
whawaさん
>これでは、フィィピンの話では無くなりますね
いえいえ、料金がペソ表示されているということで、ご勘弁を・・・(爆)
by moimoi (2012-10-08 07:01)